私は帰って来た甲賀者である。私は江戸での37年間のお勤めを終え、平成12年自身が甲賀者であることさえ知らず、故郷甲賀へ帰って来た。しかし帰郷直後に自身が尾張藩甲賀者の子孫であることを知ることになり、以来約20年間否応なく尾張藩甲賀者の末裔であることを意識することとなった。即ち自分が帰って来た甲賀者であることを意識し、一部のコードネームに「帰って来た甲賀者」を用いたが、余り公にはせず、甲賀者らしくソッと名乗って来たし、自らの生活や想いを公表することも控えめに行ってきたつもりである。
しかし令和2年に、甲賀忍者の真の姿つまりリアル甲賀忍者を世の中の人びとに知って欲しいというこの20年間の思いが余って、著作『甲賀忍者の真実―末裔が明かすその姿とは―』を刊行し、世に問うたのであった。そしてこれですべて終わるはずであった。
ところが甲賀市で開催されるはずであった令和2年の国際忍者学会が、コロナウイルス蔓延の為に一旦令和3年に延期された後更に令和4年に延期され、やっと本年9月に甲賀市で開催されたのであったが、ここに地元に棲む甲賀者が何も発表せざるべからず。「甲賀忍者に関する一考察」と題してリアル甲賀忍者とは何か、リアルでない忍者とは何かを問う発表を行った。
その後この内容をまとめた文章を国際忍者学会の機関誌に投稿した所がどうやら内容が気に入らぬらしく、字数不足という理由だけで却下するという。やり取りするには当方年を取り過ぎていて時間がない。そこでこの際従来の方針を変更し、帰って来た甲賀者の棲み家をホームページに公開し、そこに件の文章も修正なしで公開して世のご批判をいただきたいと考えた次第。
本日85才になるのを機に、以下のようなホームページを公開し、ある程度体裁が整ったら誰かに後を託したいと思う。